組織再編取引の別表5(1)への記載方法と留意点

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税務申告ソフトの仕様による影響

別表5(1)の増減項目と別表4が税務申告ソフトで連動している

組織再編が生じていない通常の法人税等申告書では、別表5(1)の利益積立金に係る増減項目と別表4の加算、減算項目は原則一致します。そのため、多くの税務申告ソフトでは、両者が転記される仕様になっております。

しかし、組織再編においては、別表4を介さずに別表5(1)へ計上される項目が頻繁に発生します。そのため、このような取引金額を別表5(1)の期首残高に入力するか、転記をオフにして利益積立金に係る増減項目に入力するかの対応が取られることになります。

時系列の崩壊

組織再編は、期中取引とそれに対応する別表調整があり、次に消滅会社等の決算を組み、未払法人税等を計上するなどしてから、組織再編取引に係る仕訳、別表調整がなされる構成になっています。

しかし、前述の理由から、時系列的に一番後に生じているはずの組織再編に係る取引を、別表5(1)の期首残高に入力することがあり、非常に分かりづらいものになってしまいます。

エクセルなどで整理すべき

期首残高でないものを期首残高に入力する結果、当然ですが前期末の残高と一致確認が取れなくなります。そのため、エクセルなどのツールで整理を行ってから取引を統合し、別表5(1)に落とし込む方法が好ましいですが、実務上はおろか、入門者向けの書籍でもそこまで情報が整理されていることは稀です。

記号によるマークの習慣もある

組織再編取引に係る受入れで生じた項目について、「※」を付して区別する人もいます。

別表5(1)「資本金等の額の計算に係る明細書」だけ時系列に沿っていることも

税務申告ソフトにおいて別表4と連動しているのは、基本的に利益積立金に係る項目です。そのため、資本金等に係る項目に関してだけ、組織再編に係る取引を期首残高に入力していないこともあります。

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AIknot会計事務所/AIknotコンサルティング合同会社
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監修者

PwCあらた有限責任監査法人の金融部門に所属。保険会社を中心とした会計監査、内部統制監査、各種コンサルティング業務に従事。AI化推進室に兼任で所属し、公認会計士業務の自動化を担当。

セコム損害保険株式会社、THホールディングス株式会社における、保険数理、金融派生商品の評価、予実統制、税務、M&A、企業再生、IPO支援の経験を経て、PEファンドJ-star傘下、株式会社Free Spark、株式会社CyberKnot、Mattrz株式会社のCFOを歴任。

2020年、AIknot会計事務所を設立し代表に就任。
2023年、AIknotコンサルティング合同会社を設立し代表社員に就任。

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