会議費に該当するための要件
通達で一定の条件が示されている
会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用は、原則として措置法令第37条の5第2項第2号に規定する「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するものとする。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注)
1 会議には、来客との商談、打合せ等が含まれる。
租税特別措置法関係通達 61の4(1)-21 会議に関連して通常要する費用の例示
2 本文の取扱いは、その1人当たりの費用の金額が措置法令第37条の5第1項に定める金額を超える場合であっても、適用があることに留意する。
「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を提供するために通常要する費用」というのは、冗費濫費のおそれがないような、会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常提供される昼食程度を超えない飲食物等の接待に要する費用のことであると解すべきであり、このようなものである限り、その全額が交際費等から除外される。
神戸地裁平成4年11月25日判決(税資193号516頁)
事業活動を行う中で、食事をしながら会議をすることは一般的なことです。一方で、食事中に仕事の話をしたことをもって会議費として損金に計上できるとすると、実質的に給与の一部を会議費として支給するなどして所得税の潜脱も可能となることから、一定の要件が示されております。
会議費に該当するための要件
- 冗費濫費のおそれがないこと
- 社内又は通常会議を行う場所で開催されていること
- 通常提供される昼食程度を超えない飲食物等であること
当然ながら、実際に会議を行っており、それが確認できる成果物があることが前提となります。
「通常会議を行う場所」とはどこなのか
貸会議室、喫茶店などが想定されております。
一部判例では、居酒屋、鮨屋、焼肉店、スナックなどは「通常会議を行う場所」に該当しない旨判示しています。ファミリーレストランなどは喫茶店として利用することも想定したメニューも用意していたりしますので判断が難しいところですが、該当すると考えてよいのではないかと感じます。
「通常提供される昼食程度を超えない飲食物等」は5,000円(改正後10,000円)が目安
上に引用した通達において「その1人当たりの費用の金額が措置法令第37条の5第1項に定める金額を超える場合であっても、適用があることに留意する」と記載されている通り、5,000円(改正後10,000円)を超える場合であっても会議費になり得ると読めますが、「通常提供される昼食程度」ですから、状況を踏まえて社会通念上認められる範囲に留める必要があります。
5,000円(改正後10,000円)基準との混同に注意
5,000円(改正後10,000円)基準は交際費を会議費として計上してよい閾値
次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
1 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
2 飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用
なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
(1) 飲食等のあった年月日
(2) 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
(3) 飲食等に参加した者の数
(4) その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
(5) その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項
No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算より抜粋 国税庁
これは交際費に該当する性質の支出であっても、交際費に該当しないものとして取り扱ってよいという閾値です。そのため、もともと会議をするための支出に対しては関係ありません。
交際費には、損金算入金額の上限がございますので、会議費として計上できるものは会議費にした方が有利です。